第1回やすべえカップ〜井出洋介インビテーション〜

大原代表の夢、遂に実現!あのレジェンド・井出洋介プロをやすべえリーガーに迎え、7月24日に行われた第1回やすべえカップ!代表が常日頃から「井出さんを呼んでイベントをしたい」とうわ言のように言っていたのが、井出プロが大商大での講演で来阪するついでにやすべえリーグに出てもいいよ、と言ってくれたことで思いもかけず現実に!

リーグ戦の日程は既に決まっていたため、急きょワンデー形式のカップ戦を企画。限定11名募集ながら結果的には定員オーバーの申込があり、西坂選手に譲ってもらうほどの盛況となりました。

システムはまず3回戦を行って上位8名は準決勝、下位4名はHIP1決定戦に進出、続く5回戦が準決勝の上位4名で決勝戦となりました。時間は準決勝までが50分プラス1局、決勝戦が60分プラス1局。基本的なルールはμカップルールです。

1回戦好スタートを切ったのは山本選手、西田選手、そして本日の主役・井出選手!(注:すでに認定やすべえリーガーなので選手扱い)続く2回戦・3回戦とポイントを稼いだのは山本・山浩・小田選手。この3人が抜ける中、注目の井出選手は若干失速。 結局決勝に進んだのは先日開催された関西最強戦プロ予選で他団体の強豪を押しのけ1位通過して力をつけつつある山本選手、もはやベテランの域に達した小田選手、これがやすリー復帰戦となる山浩選手、そして2015年関西インビのチャンプ・西田選手でした。誰が勝ってもやすべえリーグでの初タイトル戴冠となります!

そして準決勝の陰でひっそりとしかし騒がしく行われたHIP1決定戦、この卓に進出したのはこの4名。

今やHIP1に
欠かせぬ存在
代表が出るなら
俺も出る
いやいや
俺も出る
なんでボクが・・・

果たして大原代表肝入りのデュオ・イクハラか!?、はたまたもはや誰も覚えていないポップユニット・IKUTAMIC GREEN with MJか!?
代表と田村選手による井倉選手の激しい奪い合い(ポイントを)の結果、初代やすべえカップHIP1となったのはなんと第9期チャンプの小松選手でした!それでは小松選手の観戦記、張り切ってどうぞ!


HIP1が決まり呆然と遠くを見つめる小松選手


第一回やすべえカップ決勝
観戦記 文責 小松弘樹

麻将連合GM井出洋介プロをゲストに招いて開催された記念すべき第一回やすべえカップ、決勝の観戦記者を担当致しますのは第一回やすべえカップHIP1となりました小松です。実は観戦記を一度はどこかで書いてみたいな、という気持ちがありました。しかしながらHIP1になって罰ゲームで書くのは心外なのではあります・・・。初めての観戦記、拙い雀力からの視点ではございますが、思った事、感じた事を書いていければよいかなと思っております。

さて、決勝に進んだのは以下、ポイント順に
小田宏一選手 +75.7
山浩選手 +42.3
山本勝司選手 +40.2
西田一信選手 +33.0
(以下、敬称略)


にしだー、ねるなー

小田が大差を付けて決勝進出、山浩、山本が微差で競り、西田が一着順離されたポイント。小田以外の面子は最低でも小田をラスにしなければ優勝の目は薄い。

さて、席順が、起家から西田、小田、山浩、山本 の順である。やすべえカップは決勝戦も時間無制限ではなく、60分+1局なので、ラス親だから云々というわけでもなさそうである。決勝戦のゴングは鳴らされた。

東1局 その1 ドラ北
3巡目に西家の山浩がドラの北をするっと切った。もう手牌が整っているのかなと思いきやそうでもなく10巡目に三をチーするが、局を進めていけばよい小田が9巡目に既に平和一盃口を聴牌しており、山浩が小田に放銃。
23567CCFFGGHH ロン1
山浩→小田 2000

東2局 その1 ドラ二
小田 +2.0 山浩▲2.0 山本 0 西田 0
小田を追う三者にとってはなんとかして被らせたい小田の親番。ここで西家の山本の手牌が4巡目に
三三五六57CCCDDEF と567の三色が狙える手が見える。ここで5ツモ打D、六ツモ打5リーチと淀みなく手を進めた。
山本の河が気味悪く、
南H24D35(リーチ)
となっており、索子の下を切り飛ばしての早い立直であった。
そして、この立直に親の小田が手詰まる。萬子筒子にヒントが少なく、また二がドラなのもあり、比較的安全そうな索子に手がかかり残った69のうち、6を切り御用。仮に先に9を切れたとしても6が出てしまい、同じようになってしまったであろう。
三三五六七57CCCDEF ロン6
小田→山本 8000
静かに8000を申告した山本であるが、トータルトップからの直撃に、心中小躍りしたに違いない。脇の2人もトータルトップが望外の満貫振り込みなので条件が軽くなった。

東3局 その1 ドラ@
山浩 ▲2.0 山本 +8.0 西田 0 小田 ▲6.0
前局の8000直撃で、小田以外にも優勝の目が現実的なものに見えてきた。ここでこの半荘を含めたトータルポイントを見てみよう。
小田 +57.7 山本 +60.2 山浩 +36.3 西田 +37.0
現状、山本がトータルトップである。山浩、西田にとってもなんとかしてラスに落としたい小田がラス目であるため、山本をこの半荘捲くれば優勝は十分にありえる。

さて、山浩にとっては大事な親番ではあるが、手牌が思うように纏まらない。13巡目にEFGのチーを入れ、なんとか形式テンパイ(その後タンヤオに変化)を入れる。小田も一四待ち平和聴牌を入れるも終盤でありその後のツモで無理はせず手仕舞い。山浩の1人聴牌でこの親番を粘ることに成功した。

東3局 その2 ドラ九
山浩 +1.0 山本 +0.7 西田 ▲1.0 小田 ▲7.0
なんとか連荘にこぎつけた山浩、東の対子を入れるも、南家の山本が七八九をチーして萬子の染めっぽく(実際は混一含む白バックを見てのDEの両搭を含む)、また西家の西田も萬子の染めに走る。8巡目に山浩が西をポンするも、染め手傾向が2人居る場況で東が打てる状況ではない。西田も打てずに止めていた東が終盤に対子になったが、聴牌までは誰も辿りつけずに全員ノーテン

東4局 その1 ドラ南
山浩 +1.0 山本 +0.7 西田 ▲1.0 小田 ▲7.0
現状トータルトップとは言え、山本にとっては時間制限であるかわからないオーラスの親には期待しにくい。リードとは言っても微差なので、出来ることならこの親番で加点して小田を突き放しておきたいところ。
4巡目に
七九九446@@EEFGGと面子手と七対子が見える形になるが、南家の西田の手牌も軽い。
9巡目に二三四五六七3678CDEを聴牌し、Bツモ打3とし、すぐにBをツモ。5・10で親番を引き寄せた。

南1局 その1 ドラ四
西田 +1.0 小田 ▲7.5 山浩 +0.5 山本 +6.0
ペースの早い対局である。既に南入し、西田の親番であるがトータル4位の西田はこの親番で和了が無いと残り局数的にも厳しい。しかし、2巡目の西田に楽しみな形が見える。 三五111CCF北北白白中
白と四が入れば非常によい形になるが、北家の山本が4巡目にFGHの早いチーが入る。
一一@ABBD南發發 FGHチー
一通のなりそこないではあるが、伸びれば筒子への染めも考えてか。しかし直後に發を引き、嵌Cの聴牌を入れる。そして西田から山本にCが放たれた。失ったのは1000点ではあるが、いよいよ西田には厳しくなった。
一一@ABBD發發發 FGHチー ロンC
西田→山本 1000

南2局 その1 ドラ二
小田 ▲7.5 山浩 +0.5 山本 +7.0 西田 0
親番の残る山浩、山本は小田をラスのまま親を蹴りにいきたいところである。ここで山本がそうするべく6巡目に白をポン、@ポン、234チーと3副露を敢行する。
六六八九 234チー @ポン 白ポン
ドラも切り飛ばしての3副露なので、安いのは見えている。脇も1000点の出費で親を蹴る為なら刺しに行っても良いのではと考えたが、如何せん待ちが悪い。対する小田は5巡目にこの形
三三七八九56778FG南
平和三色が見える絶好の手牌である。しかし、必要なHが場にこれ見よがしに切られていく。1つは山本のポンで自分のツモのHも喰い取られ、西田に放たれる。 上の形、3枚目ならチーする打ち手も多いのではないだろうか。しかし小田はチーせず、最悪平和のみになっても立直ツモの1300オールでもよしということで見送ったという。 そして10巡目に9を引いて立直をかけた。2巡目にGを切っており、捨て牌全体を見渡しても筒子の上は比較的良い待ちである。しかし4枚目のHは出そうであるが中々顔を出さない。3副露の山本もゼンツッパであるがEHを引かない。そして最後に残ったHを小田が15巡目にツモ和了し、4000オールとしてこの半荘トップ目に立った。三者の表情が曇る。
三三七八九567789FG ツモH
小田 4000オール

南2局 その2 ドラA
小田 +4.5 山浩 ▲3.5 山本 +3.0 西田 ▲4.0
完全に息を吹き返した小田に対して、三者の条件は非常に苦しくなった。 しかし、山浩と山本はまだ親が残っているのが救いか。 5巡目、山本が立直。
二三四五六123678AD ツモ七 打D
ツモれば2000・3900で小田が親番なので11.8ポイント縮まる。この時点でドラAは山に2枚残っていたが、終盤に1枚他家が引き、残りは王牌に。山本の1人聴牌となった。

南3局 その1 ドラ1 (供託1)
山浩 ▲4.5 山本+5.0 西田 ▲5.0 小田 +3.5
ドラ対子が山浩の手牌に宿るが、他の形が厳しい。
9巡目に 二二三五五七九114677 となる。 この形なら七対ドラドラが本線だろう。ということで山に残っていそうな牌を探す。途中Hを引き、確かに山に残っていそうではある。が、終盤に山本が發をポンした後、山浩がAを掴む。Aは生牌で山本には厳しそう(実際は@AAの形の一向聴でAはポンするだけで済むだろうが)なので、少考して打Hとした。そして全員ノーテンでオーラスを迎えた。

南4局 その1 ドラ8 (供託1)
山本 +5.0 西田 ▲5.0 小田 +3.5 山浩 ▲4.5
さて、時間制限のある決勝であったがオーラスまで辿り着いた。優勝条件は、小田はトータルトップ、山本は連荘、山浩は跳満直撃か役満ツモ、西田は倍満直撃となった。 山浩は配牌で?九牌が8種あったため国士一直線。そして山本が9巡目に
五六七234688CD西西 ツモB
の形になった。これは打ち上げの俎上にも上がった牌姿なのであるが。問題は西が2枚切れなのである。実質ドラの8だけしか待ちが残っていない。西対子以外は中張牌だらけなので西対子落としとしても良かったのでは、という話でお酒が進んでいった。実際には打6として立直をかけたのではあるが、3巡後に5ツモ、その後4をツモがあったため、結果的には6000オールを逃すことになる。山本の1人聴牌で連荘となった。

南4局 その2 ドラ9 (供託2)
山本 +7.0 西田 ▲6.0 小田 +2.5 山浩 ▲ 5.5
配牌で西家の小田に西の対子が入る。しかし他の形が如何せん悪く、鳴いても役が確定しただけで手が進行していないような牌姿であった。小田はポンせず、そうこうしている打ちに愚形搭子に色々と重なっていき、7巡目に七対子を聴牌する。
二六六99@@AACC西西
そして、次巡あっさりと二を引き寄せ、第一回やすべえカップの優勝を決めた。

井出プロを招いてのやすべえ初のワンデーカップ。優勝は小田宏一ツアーとなりました。決勝戦では序盤に8000を放銃し一時は逆転されたものの、南場の親番で巻き返しての優勝でした。おめでとうございます!
決勝戦に座った4人がまだリーグ戦の方では優勝していない為、誰が勝ってもやすべえでは初勝利という状況でした。

長々と書いてみて、感想というよりは実況に近いレポートとなりましたがいかがだったでしょうか。実際レポートとして書いてみると単純に観戦するよりも自分の中で更に勉強出来たような気がするのもまた確かです。リーグ戦の方も来週に第三節が待っており、また熱い闘牌が繰り広げられることでしょう。では。


ちゃっかり写り込むMJ、46歳の夏

第1回やすべえカップ〜井出洋介インビテーション〜成績・結果
No.氏名順位1回戦2回戦3回戦4回戦決勝合計
4小田 宏一1933.817.715.224.5100.2
5山本 勝司219.835.25.5▲20.3747.2
6山浩3▲22.320.619.124.9▲11.530.8
12西田 一信42112.5▲6.15.6▲2013
3橋上 博紀512.211.95.9▲6.523.5
1井出 洋介6211.4▲17.2▲6.3▲1.1
9星越 英明7▲10.9▲10.817.81.9▲2
10松淳8▲8.6▲1.2▲7.7▲15.5▲33
8大原 泰孝93.8▲15.7▲15.916.8▲11
11井倉 巻治10▲6.2▲7.3▲8.2▲19.1▲40.8
2田村  洸11▲17.4▲35.5▲17.87.6▲63.1
7小松 弘樹12▲21.4▲45.96.9▲5.3HIP1▲65.7

安定した成績で見事初体取るタイトルとなった小田選手、おめでとうございます!翌日に放送された井出選手のぶっちゃけギリトークの冒頭でもこの大会の事に触れてもらいました!次回のやすべえカップにご期待ください!


井出さんありがとうございました!

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